白銀の山麓 ――おまけ
教主の説得の仕方
「教主様。『ゾーリャ村におけるソーマ消失による住民への影響調査』に向かう許可を願います」
「エレオスよ。それもセクンダディとの合同調査なのであろう?」
「そうです。同じ目的であれば、便乗するのが効率的ですし、情報独占の防止にもなります」
「よもや、セクンダディ側と癒着しているのではあるまいな」
「……教主様も、私のセクンダディ嫌いはご存知のはずでしょう」
「う、む。それはまぁそうなのだが。しかし、最近はセクンダディの、しかもファルズフとの行動が多すぎるのではないか? もっと具体的な目的をはっきりと申すがよい」
「具体的、ですか」
言いたくなかったのだが仕方がない、という顔で、エレオスが答える。
「……冬山遭難ネタの断固阻止です」
あえてダレのとは言わないが。
「!! 早く行くのじゃ、ぬかるでないぞ!」
逆に追い立てられるように、教主の間から放り出される。
閉められた重々しい扉を振り返りながら、部下が苦笑した。
「隊長……口が上手くなりましたね」
「言うな。――ヤツの入知恵だ」
誰かの澄まし顔を思い出し、エレオスはため息をついた。
遭難の防止、ではなく、遭難ネタの阻止です。
もちろん、エレオスがやろうとしても、隊長に阻止されるわけですが。
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