?黒エレ ←→ 白エレ?
Act.1:遺跡の街
「たいちょー」
「このソーマ砲、エネルギーさえあれば、まだ動きそうですよ」
教主庁のとある一角。
廃棄処分で積み上げられていた機材やら兵器やらの間から、まだ使えるものは無いかとスカベンジ(ゴミ漁り)していた隊員たちが声をかけた。
「ふーん?」
エレオスがぺた、とバッテリーに触れると、たちまちエネルギー残量表示が満タンとなる。
起動音の後、元気になったソーマ砲は、張り切って砲弾を撃ち出した。
――弾が残っていたらしい。
「動いたな」
「教主様のバルコニーがふっとびましたが」
「細かいことは気にするな」
教主庁は、事故だ、テロだ、と大騒ぎになっているが、エレオスは、もっと他に面白いものはないかと、廃品の山を漁っていた。
***
一方その頃。
第七中隊のメンバーは、オルフェウス様にふっとばされていた。
Act.2:暴走
「エレオスよ。お前の傍若無人ぶりは目に余る。少しは人の迷惑というものを……」
「けっ」
くどくどと説教をする教主に、エレオスは肩をすくめる。
「うぬぬ、罰として砂漠の遺跡調査をしてこい!」
「うるせぇ、俺に命令すんな!」
教主庁とセクンダディの、ソーマ測定装置の針が振り切れた。
***
第七中隊のメンバーは、教主国マラン・アサに向かっていた。
操縦桿を握っているモニカが、これからの逗留地である港付近の拡大映像を見て、呆然と呟く。
「隊長――」
「どうした?」
「教主庁が、
ありません……」
「? ありませんとはどういう意味だ?」
「言葉通りで……建物が、跡形もありません」
「イシュタル、どういうことだ?」
通信装置から、立体映像が答えた。
「大規模な爆発があったのよ。幸い死傷者はいなかったけれど、建物が崩壊したの」
「アドニスの襲撃ですかね?」
「内部テロの噂もあるけれど、まだ調査中よ」
「引き続き、情報収集を頼む」
「了解」
一方その頃。
シルトクレーテのキャビンでは、若い隊員たちが集まっておしゃべりに花を咲かせていた。
「マラン・アサには、ぼくの親友がいるんだ。元気にしてるかな」
「どんなヤツなんだ?」
「うーん……ちょっと思い込みが激しくて、俺様最強主義で、わがまま。かな」
「それって危ない人なんじゃ――」
「でも、ぼくのためならなんでもしてくれるよ」
二人ほどが「ごちそうさま」と毒づき、二人ほどが「いいなぁ」とうらやましげに呟いた。
Act.3:嵐の中へ
教主庁がなくなってしまったので、第七中隊の面々は直接遺跡へ続く、ディミヌ砂丘へと向かった。
そこで彼らを待っていたのは、砂漠の炎天下だというのに、黒尽くめの若者。
「カデンツァ!」
「エレオス、久しぶり。あれ、一人? 教主庁の服は?」
「あんなところ、辞めてきた」
「ええっ?」
キュオオォォ!
何やら大きな姿と声が近づいてくるが、話し込んでいる二人は聞いちゃいない。
「辞めたってどういう……意外と黒服も似合うね」
「教主のじじいがうるさくってさ。……カデンツァも白黒(10番)結構似合うと思うぜ」
キュオオオォォォォォ!
完全に無視された巨大な竜巻が、しきりにあっちへ行ったり、こっちへ行ったりして、気を引こうとしている。
「うるせえぞ、邪魔すんな!」
振り返りざまのソーマ術の一撃で、巨大な竜巻ビジターが倒れ伏した。
さて、と話の続きを始めようとした二人の間に、すらりとした女性が割って入った。
「エレオス殿、我々は任務遂行中だ。雑談はまた今度にしてもらおう」
「エレオス、ごめんね」
砂漠のさらに奥へ駆け去っていく姿を見送って。
「……セクンダディ――邪魔だな」
残されたエレオスが、ぽつりと呟いた。
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エレオスがこの年まで、どうやって教主庁にいられたのかが謎になってきました。
いや、今までなぜ教主庁が無事だったのかが、謎なのか……。
act2のタイトルが「暴走」だったので、書いてて自分で吹きました。
ソーマ砲の廃品回収は、ホントはまともな方で考えていたネタでした。
旧式の砲ということは、きっとどこからか、掘り出してきたんだろうなぁ、と。
さて、白黒エレ。
もう1回続きますw
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