別離―爆笑バージョン


「覚えてろ! 必ずまた来るからな!」
「ばっかヤロー、二度と来るな!!」
異国の蛇男を追い返し、叫ぶ天化。
今回の戦いで、蛇男は「キライなヤツ」のトップになった。
太公望が駆け寄ってくる。
「て、天化! お腹に穴空いてる、穴ーっ」
「げっ、どうもスカスカすると思ったら!」
「天化って、人に言われないと死んだことに気づかないタイプだよね」
「うるせえ」
「血がこんなに一杯流れてる! 腹腔えぐれてるし! 内臓半分くらいなくなってるし!!」
天然ボケの言葉の暴力は痛い。
「……やめてくれ、意識が遠くなってきた」
「道徳真君様に知らせてくる!」
「だ、ダメだ!」
駆け出そうとするのを必死で止める。
「どうして? このままじゃ本当に死んじゃうよ!」
「……楊任覚えてっか?」
「何をいきなり。もちろん、覚えてるけど。あのインパクトは封神演義一だもんね。それが何?」
目をえぐられた楊任は、天化の師、道徳真君によって掌中目を与えられている。目から手が生えているという凄まじい代物だ。
「ヤツをあんなにしたの、うちの師匠だぞ。まぁ、元を作ったのはあのマッドサイエンティストだろうが、それを面白がって使っちまう人なんだ、あの人は」
「……」
「……」
「やっぱり、お腹から手が生えるのかな?」
「頼むからやめてくれ……」
「分かった。僕もそんな怖いの見たくない」
――どこかで、誰かが残念そうに舌打ちした気がする。
「えーと、次はなんだっけ」
「……『天化が自分を犠牲にして朱雀を呼ぶ』」
「人事だと思って簡単に言ってくれるぜ。……ちくしょう、まだ未練はたっぷりあるぞ。あーんなこともこーんなこともするつもりだったのに! 身体がなきゃなーんもできねぇじゃないか」
「ほら、時間(ページ)ないんだから、ちゃっちゃと呼ぶ!」
「えー、やだよ、俺」
「……(怒)。朱雀、天化に降りろ!」
「でーっ、人でなしーーーっ」
いつもと違う声に呼び出された朱雀が、きょときょとしながらも指令に従う。
普段よりちょっと派手に火の粉を撒き散らして。
(ひでえよー(泣))
身体を焼かれて魂魄になった天化が、うらめしげに太公望に文句を言う。
「ほら、済んだことでウジウジしない! ――封神!」
魂魄が輝き、封神台に向かって飛んで行く……はずだった。
だが、天化の魂魄は、まだ近くでふよふよしている。
「……なんで行かないの?」
(だって、神界に行ったら、役職につかされて仕事させられんだろ? 面倒くせーし、当分こっちにいようかなと。魂魄だけだと人に気づかれずに色んなところに行けそうだし)
……何を覗く気だ、この男は。
「さっさと働いて、神界作って、早く迎えに来い!!」
(ぎゃーっ!)
打神鞭による大ホームラン。
天化の魂魄は封神台にぶち当たり、10年ほど気絶していたらしい。

*

「太公望殿〜っ、ああもう、またどっかに行ってしまった」
「ったく、大将、一人にしておくとウロチョロするのは変わってねぇなぁ」
那咤と楊セン。
仙界でも特別扱いの二人は、妖魔大戦後、すでに神将としての資格を得ている。
封神計画がとうとう終了したことを察して、その大役を終えた友人を探しにきたのだが……。
「太公望殿ーっ、お菓子上げるから出てきなさーい!」
「――なぁ、大将、その手でどっかに連れて行かれたのと違うか?」
「……」
「……」
「もう少し探しましょう」
「そだな」
なんだか無駄な予感がする。
まったくもって、それは正しかった。

*

時は一気に過ぎて、千八百年。

「やれやれ、長かった。――ったく、超過勤務にもほどがあるぜ」
「……ほとんどサボってたくせに。真面目にやってたのって、尚の前だけだろ」
「あー、コホン、ところで莫邪の鞘はどうしたんだ?」
「尸解した時に、取りこんじゃったみたい」
「ふーん。俺が剣身取りこんでて、お前が鞘か。……それって結構意味深――」
「……?」
「……(^^ゞ」
「……っ! 天化のバカバカバカーっ、なんてこと言うんだ君はーーーっ!!」
「お、落ちつけ、だってホントのこと……いや、その、ぎゃーっ!」

「えー、ただいま、大変不適切な表現がありましたことを深くお詫び致します。夫婦ゲンカも佳境に入ったようですので、今日はこの辺で。来週もお楽しみに。以上、天界一の美青年、楊センがお送り致しました」
「「実況中継すなーーーーっ!!」」

神界は平和かもしれない。

END


自分の話にパロディをつけるバカです。
しかも、こっちの方がノリがいいってどーゆーこと(笑)。
いや、まぁ、その、笑っていただければ嬉しいです。ははは……。


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