七夕2
七夕?


一日目

「炳霊公殿」
「おう、楊セン」
「実は七夕……」
「断る」
「まだ何も言っておりません」
「どうせまた、例の寸劇でもやれってんだろ? もう二度と関わるもんか」
「そうはおっしゃっても、要望が高いんですよ」
天界は娯楽が少ないのである。
「前と同じことやったって、そっちも面白くないだろうが!」
「ええ、ですから、配役を変えることにしました」
「……は?」
「さ、参りましょうか、織姫様」
「……○×■△!!!」

その日、神界から一人神将が消えた。

二日目

「来ねぇなぁ……」
「炳霊公殿」
「おう、楊セン。あいつは?」
「それがですね」
大きなため息。
「居ないことに気づかれていないようですよ」
「!!!」
「宮のあるじとして、どうなんですか、貴方」
「orz」

神将一人くらいいなくなっても、神界は平和なようである。

三日目

「炳霊公殿」
「おう、どうなった?」
「今、千足のわらじを用意されています」
「やっとか。それでこっちくるのは?」
「さぁ」
「おい?」
「先ほど伺った時には、ようやく二つ目にとりかかっておられました」
「自分で編んでるのかよ!!」
「一日三足と考えて、あと330日ほどかかるかと」
「orz」

――先は長い。


四日目

「炳霊公殿」
「おう」
「さすがに埒が明きませんので、わらじはこちらで用意して、先ほど到着されました」
「おお!」
「しかし、混じった穀物をより分ける作業で……」
「先が見えた。自分でやってるな?」
「ええ、ようやくコップ一杯ほど分けられたようで」
「あいつ、俺を助ける気ねぇな……」

編集の都合により、早送りさせていただきます。

六日目

「炳霊公殿」
「あー」
すっかり飽きて、寝転がって菓子をかじっている神将が一人。
「太りますよ」
「ほっとけ。今、話のどの辺りだよ?」
「瓜、ですね」
「お、そこまで来たか」
「命じられた通り瓜の番をされて」
「あいつ、瓜食わずに我慢したんだろ」
炎天下でも、生真面目に耐えている様子が眼に浮かぶ。
しかし、事実はそれを越える。
「倒れて運ばれました」
「!!!」
「見てる方が心臓に悪いです」
「待ってる方も心臓に悪いぜ」

今年の七夕は、違った意味でスリル満点である。

七日目

「やぁ、織姫。迎えに来たよ」
「彦星、遅ぇ。でもお疲れさん」
「七夕のお芝居って、結構ハードだね」
「それはお前だけだろ。それより何持ってんだ?」
「倒れた時、お土産にって、瓜を一つ」
「……献血の景品みたいだな」
「ありがたくいただこうか」
「ああ……って、その瓜は!」

――今年も下界は大雨であったらしい。

              終劇



久しぶりがこんなんですいませんw
各地の七夕祭り、晴れるとよいですね。
献血で倒れて、山ほど土産をいただいたのは私です orz



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