Act.1:遺跡の街

そんなこんなで、ここはアマティー遺跡の奥の間。
メイクアプロミスのトニーを買収し、シナリオを半分くらい省略した一行の前に現れたのは、巨大なソーマの塊であった。
その姿は、言うなれば巨大な超合金ロボ。
「総員、戦闘態勢! あれは人間ではない!」
「隊長、見れば分かります!」
容赦の無い第七のメンバーに叩きのめされたソーマが、よっこらせ、と起き上がる。
「人間たちよ、我を静めてくれたことに感謝する。我が名はアンゲルス……」
「でかくて重い見かけの上に、堅っ苦しい話し方する人ですねぇ」
「重いっすか? こんなんでどうでっか?」
「あ、いい感じ」
「なんちゃって方言のお笑い芸人みたいだね」
「この先に、ソーマの乱れの元凶四人組がおりますのや。わいは、ちょいとあんさんの背中借りますで、ほなさいなら〜」
ずん、という音がしそうな勢いで、アドニスの背後にアンゲルスの姿が消えた。
「それじゃ、先に進もうか」
「ちょ……っと待ってくださ――お、重ぉ……っ」
背を借りたのはアドニスのはずなのに、ぺちゃんとつぶれたのはヴェルト。
「……本当に契約したのはヴェルトだってバレバレだね」
「こりゃぬかりましたわ」
ぬっと頭だけ出したアンゲルスが、ぺちっと額を叩いた。

***

アマティー遺跡のさらに奥。
リネル神殿のご神体、アポクリファが安置されている場所。
そこには、亜麻色の髪の美少女と、どこかで見たような三人組がいた。
「あら、アドニス。貴方も来たの?」
「きき、君は? ぼぼぼ、ぼくを知っているのか?」
名指しされて、アドニスはヴェルトの後ろに隠れながら尋ね返す。
ジャディスならともかく、ヴェルトでは少しも隠れていないことを指摘するべきか。
そんなアドニスを見て、イデアと名乗った少女は、眉をひそめて溜息をついた。
「……やだ、まだ思い出してないの? 相変わらずトロい子ね」
「えええ!?(怯)」
「ちょうどいいわ、これちょっと持っていて」
呆れたように言って、彼女は手にした金色に光るものをアドニスに投げつけた。
「わぁっ!?」
鍵の形をしたアポクリファが、アドニスの中に吸い込まれる。
「さ、みんな、行くわよ!」
「アイアイサー」
「ぽちっとな」
「こーのスカポンタン! そこはほいさっさよ!」
すぱーんとドロンジョ フェデルタのハリセンがトンズラー グードに決まり、4人の姿が消えた。
「今の、なんだったんでしょ」
「新手のお笑い集団かな?」
「可愛い子だったなぁ」
「ヴェルト。初恋は叶わないのが定番だ。やめておけ」
「そ、そんなぁぁっ!」
アポクリファのことよりも、四人組のことで盛り上がる隊員たちに、アドニスが恐る恐る尋ねた。
「あ、あの……ぼくはどうしたら――」
「入っちまったものは仕方ないんじゃないか?」
「金目のモノならお腹かっさばいてあげますよ?」
フォルテの目は、半分本気だ。
「……」
「悩むだけ無駄だと思うよ?」
カデンツァにぽん、と肩を叩かれて、アドニスは考えることを放棄した。





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ドクロベェ様と、三馬鹿の登場です!
三馬鹿のセリフは分かる人には分かる。(ヤッターマン。まさか実写で復活するとはなぁ)

イデアなら、アポクリファなしでもびしっと三人を取りまとめているに違いない。
アドニスにアポクリファを預けるのも、狙いがあってのこと。
ヴェルトは敵方の娘に惚れるという、主人公らしい行動に出てみましたよ?
そしてアドニスは、ようやく「あきらめる」ことを学習し始めた模様。

アンゲルスが何気にいいキャラになったと思うのですが、いかがでしょ。
扇子もって怪しい関西弁を操る、カマボコ目のロボットを想像してやってください。







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