Act.2:暴走

「やってますねぇ」
「派手だな」
「たーまやー」
「あぽくりふぁやー」
「それ、ちょっとムリがあるよ」
マランアサに戻る途中、またも緊急指令を受けた一行は、機動都市オーディタールに来ていた。
オーディタールの新観光名所 新要塞グラーヴェからは、ひっきりなしに花火 砲撃が繰り出されている。
「のんびり眺めてていいんですか?」
「あっちが捜索されるの嫌がってますし」
「ほっとけほっとけ」
ヴェルトの問いに、フォルテとミラーズが、さて帰るか、というそぶりを見せる。
「そういうわけにもいかないだろ? さ、行こう」
「カデンツァはだめだ! 機械油で服が汚れる!」
「聞き捨てならないね、あたしらならいいとでも?」
「その通りだ」
戦闘区域に入る前に、またバトルが勃発したが止める者はいない。
メンバーに加わることを反対され、ぷうと膨れていたカデンツァだったが、何か思うところがあるのか、おとなしくその場に残ることになった。
ゲッツェ大佐の傍らで、いってらっしゃいと笑顔で見送る。
炎と煙をかいくぐり、次から次に現れる戦闘端末を片付け、隊員たちは少しずつ中心部に向かう。
強力な火力を持つメタルウォーカーに苦しめられたが、これも片付けることができた。
ほっとしたその時。
破壊したはずのメタルウォーカーに、端末機が群がり、わらわらと修理を始めた。
「まだ動くのか!」
「パロディなんだから、こんなの省略しろよ!」
再びメタルウォーカーの起動音。
――そこに響いた、聞き慣れた声。
『みんな、そこどいて』
口調こそのんびりしているが、隊員たちは嫌な予感にあわててその場から離れる。
そして。
どこからともなく飛来した砲弾が、メタルウォーカーを粉々になるまで粉砕した。
『当たったv』
『おお、見事見事!』
『ゲッツェ大佐の指導が良いからですよ』
『いやいや、教えても、筋が良くなければこうはいかぬ。君、ぜひ我が軍へ!』
『えー、どうしようかなぁ(照)』
司令室で繰り広げられる、熱烈な勧誘が目に見えるようだ。
「……早く事件解決しないと、カデンツァ君、オーディタールに取られちゃいますよぉ」
「させるかぁっ!」
「――急ぐぞ」
急にやる気を出したエレオスと隊長によって、カペルゼーレが粉砕されたのは、わずか数分後のことであった。
「よし、戻るぞ!」
「あら? 何か忘れてません?」
「うん、何か忘れてるような――」
「忘れるくらいなら、たいしたことないんだろ」
帰還用のソーマゲートを設置し始めた隊員たちに、静かな声がかかる。
「お待ちなさい」
三人組をひきつれた美少女だった。
「イ、イデアさんっv」
「寝返るんじゃないよ、一応主人公」
ふらふらとそちらに行ってしまいそうなヴェルトを、ミラーズがどつく。
イデアはそんな少年には目もくれない。
あくまで堂々と、威厳をもって。
「肝心のアポクリファを忘れてるわよ。早く預かってちょうだい。……あら、アドニスはどこ?

「「「「「それだ」」」」」

忘れ物思い出した!
どこまで一緒にいたかを検証し、途中のリフトの連続の乗り継ぎではぐれたのだと結論する。

――迷子だ。

「このアポクリファは、彼のところに行くはずよ。回収してあげてちょうだい」
イデアの手から離れたアポクリファが、ふわりふわりと飛び始め、彼女たちはまた瞬間転移で姿を消した。
「イデアさーん」
「テレポート、いいなぁ」
「仕方ないな、アポクリファを追うぞ」
グラーヴェ要塞の、複雑なリフトを乗り継ぎ、乗り継ぎ、乗り継ぎ……。
ようやく辿り着いた隔離棟の一つで、リフトの陰でしゃがみこみ、がたがた震えている少年がいた。
飛んで行ったアポクリファが吸収される。
しかし彼は、そんなことにも気づいていないようだ。
「アドニス!」
声をかけると、ようやく顔をあげた。
「−−−−っっっっ!!(声にならない)」
「この阿呆、どうやったらこんな奥まで迷い込めるんだ!」
「き、機械に追われて逃げてるうちに……ヽ(;´д`)ノ あ、でも、ほら! 依頼されてたゲゼルガン用のキメラハート! 見つけましたよ!!」
褒めて褒めてと言いたげに、クエアイテムを差し出す。
「今回武器がかぶるからって、カデンツァ君は弓使いでしたねぇ。ということは、使うとしたらエレオス君ですけど」
「……ゲゼルガンの攻撃力19。俺のナイトメアカノンの攻撃力23。つまり、いらねぇ」(参考:任天堂攻略本)
「Σ(゜д゜|||)ガーン」

「……帰ろ?」
ぽん、とヴェルトに肩を叩かれて、アドニスはこくり、とうなずいた。







----------------------------------------------------------------------




隊長とエレオスは、カデンツァ最優先。

アドニスは、便利なアポクリファ回収機能つき、くらいに思われ始めたようです。









TOP小説?イデア←→アドニス?2